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陶芸作家 

東 絵理さん

愛知県出身 

陶研第31期生(2014年修了)

幼少期や高校生の時は、絵本作家になりたい夢もあり、絵本を見ることが好きでした。陶芸の方はテレビでしか見たことがなく、ロクロで作られる形が魔法みたいでおもしろい!!と感じていました。そのくらいでした。その陶芸(土)に初めて触れたのは、高校の陶芸部、土から形を生み出すことが楽しかったと覚えています。その後、大学に入学し、幼いころから好きで続けていた絵(油彩)を専攻しましたが、陶芸に触れる機会にも恵まれ、そのとき感じたことは自分が想定したものと、焼けた完成品が少しずれることに楽しさを覚えました。その陶芸をもっとやってみたいと思い、常滑の陶芸研究所で学びました。

私は以前から作品づくりにおいて、形にアンバランスさや不安定なところに面白みを感じ、惹かれる要素になっています。それはマティス、ピカソ、バスキアの絵画からの影響を受けており、顔が大きい、小さい、丸い、四角いなど…。人間と分かるけど、そのアンバランスさが面白いと感じていて、自分の作品からも同様に感じてほしく制作しています。その表現として、作品のそれぞれのパーツをロクロで作り、そこで出てきた形を活かし、組み合わせる方法をとっています。例えば、形全体を細長くしたり、カップの高台を大きくしたり、取っ手を大きくしたり。また、組み合わせたパーツの軸をあえて少しずらしてみたりと、形のアンバランスさを強調するように工夫します。

他に、装飾のアンバランスさも必要です。装飾は転写シートやプラチナ彩をよく使い、レイヤー(層)を重ねていくイメージで、「異質さ」を作っています。転写シートの層に色を重ね、さらに形に対して暴力的・破壊的な要素をプラスしていきたいと意識しています。そこでは、自身の身体(肉体)性が必要と思っています。絵を描いていた学生の時は、身体全体を使って絵を描いていました。陶芸も同じで、作品を作るうえでも自分の出せる良い身体性を作品に落とし込みたいと思っています。人それぞれが持っている身体性で変わるので、それらを作品に落とし込んでいきます。

その身体性と自分の中から出てくる動きやリズム感を意識して、色をのせる、勢いや鋭さのある筆跡、引っかきとか、ちぎるとか、ライブ感みたいなものを出していきます。このことに気づかせてくれたのは、元々好きだった絵本の世界、特に絵本作家の新井良二さんの絵が好きです。色の感じや筆の使い方、絵具のチューブから直接絵を描いたりしていて、それこそライブ感やリズム感、色の感じや筆の使い方が好き。他に色使いは絵画からも、ピカソ、マティス、バスキアたちの色の組み合わせを学び吸収しました。例えば、緑と紫色が合うなど。全体的に明るい色が多く、黒や暗めの色はアクセントで使います。

私にとって、これらの制作工程は頭で組み立てることはなく、その瞬間瞬間の自分のライなブ感覚(セッション的な)を作品にぶつけていく感じ、その瞬間が作品に残せられたら(表現できたら)良いなと思い制作しています。そして、このことはオブジェでも絵画的要素、絵本から飛び出してきた世界観を落とし込みたいと思って作っていて、花器たちや食器たち(道具)も絵画・絵本から飛び立たせたい感覚でいます。平面とか立体とか関係なく、垣根を越えたい気持ちが強いです。(なので展示会場では)展示台も作品も、壁掛け作品も含めた空間を、平面と立体のイメージを行き来するような感覚を、感じてもらいたと思っています。

花器は造形のおもしろさを求めて表現し、同じ道具でも食器では「使う人が元気がでる」ような、だけど普段使いできる作品を意識し、私の作品を持っている人が、使っていて、日々楽しい気持ちになる作品、「そこにあるだけでも元気になる!」と言ってもらえたらいいなと思います。

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